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パワフルに働くネイリストさんを見ていると、いつも笑顔で輝いていて、 挫折や悩みなんてないんじゃないかと思える。
でも彼女たちだって1人の人間。 みんなきっと、たくさんの人生の山を乗り越えてきて今がある。家族のこと、仕事のこと、 パートナーのこと…。いつもよりちょっと踏み込んで、あの人の今までの人生を振り返ってみたいと思う。第1回目はネイリスト歴20年以上の大ベテラン・南部佳子さんに、ときめく今を作るための人生哲学を聞いてみた。

南部佳子の人生哲学

一.楽しい

 「昔から海外のインタビューで 「夢は何」って聞かれても、「夢がない」 が答えだったんです。だからその瞬間にワクワク することや、新しいものにときめく気持ちを逃さないよう にしています。今年の 11/1 で 2 回目の開催になる「アクリルカーニバル」はすごく楽しい企画なんですが、すごく大変 な企画でもあります ( 笑 ) コロナ禍で楽しむためのコンペっていう のがなくて、みんなで楽しむためにカーニバルっていう名前にしたほどです。 審査員の先生も、その分野に長けている人たちを揃えて、 参加者が学びたい人たちをお呼びしたんです。コンペの後もなぜ 自分がその順位だったのかを伝えられるようにしています。 私は 泣くことって全然ないんですけど、去年のイベントの終わり には流石に涙が出ましたもんね。 fumi さんも横で泣い てました ( 笑 ) これからもそうやってみんなが楽しく 参加できる場所を作っていきたいと思っ
ています。」

二.親子

 「私の人生の大切な転換期には母の言葉がありました。5 万 円というお金を気軽にもらえる家庭ではないのに、それがネイリスト人生の始まりにもなりました。ピュアネイルを閉じて、フリーで働くきっかけになったのも母の言葉です。そして自分が母になって思ったのは「子供は親の思い 通りにならない」ということ。自由だった私が、子供のために自分のやりたいことを我慢しなければならないときもあって、でもそれは私の人生のタイミングなんだなって思えるようになりました。その経験がスタッフへの配慮にも繋がったり。 息子の反抗期が酷い時、どうすれば人に迷惑をかけずに成長できるかを考えた時、ダーツが好きだったからプロの道を進めたこともありました。ダーツってフレスカと同じで、同じ作業をいつでも同じクオリティに仕上げなくちゃいけないところが似ていて、息子と2 人で練習とかしたり。まだまだ子育ての過程にあるとは思うんですが、私らしく身構えず、臨機応変に親をしています。」

三.接客

 「1つ 、ネイリストの皆さんにお伝えしたいことがあるのでお話させてください。 技術、技術と私もセミナーでは伝えていますが、ネイルサロンはお客様と対面で2時間以上向き合うお仕事です。だからこそお客様にとってずっと一緒にいたいと思えるネイリストにならなきゃいけない時代だと思います。だからこそ今まで以上に人柄が大切だと思うんです。私も東京に来てからお気に入りの美容室を探してた時があって、その時思ったのは「偉そうで技術はまぁまぁな美容師さん」よりも「たとえ失敗しても頑張ると言ってくれる人」の方が私はいいなって思ったんです。その気持ちが大切だから。過剰なおもてなしは必要ないと思いますが、今の時代は「あの人のサロンが潰れて欲しくない」とか「あの人に会いたいから」っていう理由でサロンへ通ってくれる人も多いと思うんです。それは個人サロンも店舗サロンも関係ないと思うんですよね。1mm の技術としてのズレよりも、もっと大切にした方がいいことがあると思います。 接客業として最低限の挨拶や、電話対応、そしてお客様を思いやる一言が出るようなネイリストが生き残る時代なんじゃないでしょうか。」

四.幸せ

 「私にとってはですが、幸せとは自立だと思います。自分が自立していないと、他人の世話はできない んですよね。同時に自分が幸せじゃないと、人に幸せを分けてあげられないと思っています。よく自分はいいのって言う人がいるんですけど、私はそうじゃなくって、自分が幸せじゃなきゃダメだっていう考え方。だからこの今の時代、自分だけ稼げればいいわけじゃなくって、友人が商品を出す時は純粋に応援したいって思います。そうやって幸せって作っていくものだと思っています。」

photographer kenichi sugimori